2009年06月09日
総合人材サービスのマンパワー・ジャパン株式会社(本社・神奈川県横浜市、取締役・代表執行役会長兼社長:ダリル・グリーン、資本金:40億円)は、2009年第3四半期(7-9月期)における企業の雇用計画を尋ねた「マンパワー雇用予測調査」の結果を6 月9 日付で発表します。調査結果は「2009年 4-6月において、貴社または貴機関の雇用計画(契約社員、派遣社員等を含む)は今期と比べてどのような変化がありますか?」という質問に基づいています。尚、本調査はマンパワー社が四半期ごとに世界34カ国・地域で行っている世界で最も広範囲にわたる事前調査です。
今回、日本で行った調査では、東京・大阪・名古屋の企業1054社から回答を得ました。その結果、季節調整後の純雇用予測は-6%で、第2四半期から引き続きマイナス値を記録、調査開始以来の最低値を更新しています。前四半期比は1ポイント減、前年同期比では22ポイント減と、前四半期からは微減に留まっているものの、雇用意欲は依然として減退傾向にあることを示しています。
また、マンパワー雇用予測調査は、東京、大阪、名古屋の3地域で地域別の調査を行うと共に、業種別 7 業種*での調査も行っています。地域別(3ページ目以降に詳細を記載)の純雇用予測(季節調整後)は、3地域全てにおいて、純雇用予測は前期に引き続きマイナス値を記録し、企業の雇用活動は依然として低水準を保っています。前年同月比で見ると、3地域全てで2桁減となっているものの、前四半期と比べると、純雇用予測は、東京で前四半期比1ポイント増の-3%、名古屋でも前四半期5ポイント増の-4%となっておりやや雇用意欲が回復傾向にあります。一方、大阪は、前四半期比3ポイント減の-7%と、調査開始以来の最低値を記録しており、雇用活動の減退が予測されます。(図 1-1、1-2、2-1、2-2 参照)
業種別(3ページ目以降に詳細を記載)を見ると、7業種全てにおいて依然として消極的な雇用活動が予測されます。7業種中純雇用予測が最も低い「運輸・公益」は(-14%)前四半期比 9ポイント減、前年同期比20ポイント減と、調査開始以来の最低値となっています。また、「サービス」(-1%)においても前四半期比と前年同期比でそれぞれ7ポイントおよび 26ポイント減と、調査開始以来最大の減少幅を記録しています。(図3参照)
*純雇用予測: 調査結果のうち「増員する」と回答した企業数の割合(%)から「減員する」と回答した企業数の割合(%)を引いた値。
*季節調整値: 月々の変動の癖(季節的要因)を除去したことを推計した値で、調査開始から3年以上経っている国で適用しています。日本では2006年第3四半期から適用しており、全て季節調整値をもとにした分析値を指標にしています。
*7業種:「金融・保険・不動産」「製造」「鉱工業・建設」「公共・教育」「サービス」「運輸・公益」「卸・小売」
【 調査結果 】2009年第3四半期(2009年 7 - 9 月期)
1)純雇用予測は -6%と、前期からマイナス値を更新、調査開始以来の最低値を記録
2009年第3四半期の純雇用予測(季節調整後)は-6%で、前期からマイナス値を更新し、2003年第3四半期に調査を開始して以来の最低値を記録しています。前四半期比は1ポイント、前年同期比では22ポイント減少しており、雇用意欲は引き続き減退傾向にあることがわかります。具体的には、東京・大阪・名古屋の企業 1054 社からの回答のうち、従業員を「増員する」と回答した企業は 7%、また「減員する」との回答は 16%、「変化なし」は 71%となっています。さらに、「増員する」の値が20ポイントも減少しており、企業の雇用意欲は大幅に落ち込む見通しです。また、「変化なし」の値が、19ポイント増加していることから、企業が雇用に関して慎重な姿勢を維持することが予測されます。
図1-1

図1-2

(注:2008年第3四半期より「TRAMO-SEATS」法を採用しており、遡及改定を行っているため、過去のデータが変動しておりますので、ご了承下さい)
2)地域別の雇用意欲は、大阪において調査開始以来の最低値を記録、名古屋、東京では僅かに改善の兆し
地域別の純雇用予測(季節調整後)では、3地域全てにおいて前四半期に引き続きマイナスの数値となっています。大阪が-7%と3地域中最も低い値を示しており、前四半期比で3ポイント減、前年同期比では22ポイントの大幅減となっています。名古屋の雇用意欲も-4%と依然として低い値を示し、前年同月比 15ポイントの大幅減となってはいますが、前四半期比では5ポイントと緩やかに増加しています。また、東京の雇用意欲も-3%と前年同月比では22ポイント減っているものの、前四半期比では1ポイント増となっており、僅かながら雇用意欲に改善の兆しが見られます。(図2-1、2-2参照)
図2-1

図2-2

3)業種別の純雇用予測は「運輸・公益」が7業種中最も低く-14%、「公共・教育」はプラスに転じる
業種別の純雇用予測(季節調整後)では、7業種中6業種で雇用意欲がマイナスとなっています。特に、「運輸・公益」は-14%と調査開始以来の最低値を記録し、前年同月比20ポイント減、前四半期比9ポイントと悲観的な値となっています。「製造」も-9%と前同期比では22ポイントの大幅減となっているものの、前四半期比では5ポイント増となっており、僅かながら雇用意欲が回復しています。また、「卸・小売」および「サービス」の純雇用予測は共に-1%と調査開始以来の最低値を記録しており、両業種がマイナス値に転じるのは初めてのことです。「金融・保険・不動産」(-3%)および「鉱工業・建設」(-1%)は、共に前四半期比から変化はなく、前年同月比では、それぞれ、15ポイント減、13ポイント減と低調な値となっており、依然として先行き不透明な雇用活動が予測されます。一方、「公共・教育」は、+9%と7業種中唯一プラスの値となっており前年同期比では4ポイントの微減となってはいるものの、前四半期比では18ポイント増となっており、雇用活動の大幅な改善が予測されます。
(図3-1、3-2 参照)
図3-1

図3-2

4)世界の結果では、アイルランド、スペイン、ギリシャ、ルーマニア、イタリア、日本、イギリスの雇用意欲が低調、アジア太平洋地域の一部の国では雇用意欲が増加傾向
世界の2009年第3四半期の純雇用予測では、70,000社から回答を得ました。その結果、調査対象となった34カ国・地域のうち、前四半期と比べ、季節調整前の純雇用予測は 15カ国・地域で増加しているものの、前年同期と比べると全ての国・地域で深刻な雇用意欲の減退が見受けられます。結果として、17カ国・地域において、現地でそれぞれ調査を開始して以来の最低値を記録しています。但し、労働市場安定化の兆しが多少表れはじめている国・地域もあり、特にアジア太平洋地域の一部の国では、雇用意欲が増加しています。
<アジア太平洋地域>
地域別に見ると、アジア・太平洋の8カ国・地域では、前年同期に比べると全ての国において雇用意欲が大幅に低下しているものの、前四半期比では4カ国でプラスの値となっています。日本、インド、中国は、現地で調査を開始して以来の最低値を記録しており、引き続き雇用意欲は低調に推移することが予測されます。また、香港は、前四半期から変化はありませんが、以前として不透明な雇用活動が予測されます。具体的には、オーストラリアが前四半期比3ポイント増の 2%、ニュージーランドが5ポイント増の-5%、シンガポールが50ポイントの大幅増の5%、台湾が15ポイント増の5%と雇用意欲の回復の兆しが見られます。(図4-1参照)
《ジェフリー・ジョレス(マンパワー会長・社長兼CEO)のコメント:アジア・太平洋地域 》
マンパワー雇用予測調査第2四半期結果では、インドの労働市場は比較的堅調でしたが、今期は企業の新規採用に対する不透明感が増しています。海外のクライアントからの需要減の影響を受けて、インド経済の中心産業であるサービス業の企業のうち11%が採用を減らすと回答しています。前向きな傾向としては、シンガポールと台湾において、運輸・公益業の需要の回復により雇用予測が改善しています。
図4-1

<北米・中南米地域>
北米・中南米地域の純雇用予測も低い水準で推移しており、全ての国において前年同期比では雇用意欲が減退しています。カナダ、コロンビア、コスタリカ、ペルーでは、現地で調査を開始して以来の最低値を記録しており、雇用意欲の減退が見受けられます。米国は、-2%と前四半期から変化はなく、労働市場における雇用意欲の停滞が予測されます。メキシコは、前四半期比2ポイント増の-3%とやや雇用意欲が回復傾向にあります。(図4-2参照)
《 ジェフリー・ジョレス(マンパワー会長・社長兼CEO)のコメント:北米・中南米地域 》
3ヶ月前と比べ、世界中の企業の多くが労働力に変化はないと回答しています。よって、最悪期は脱したといえるかもしれません。米国では、引き続き、多くの企業が労働力の調整を行うことで景気の低迷期を乗り越え、景気の回復に備えようとしているため、企業の慎重な採用活動が、求職者にとって問題となるでしょう。カナダおよび米国における製造業・消費財分野での求職者にとっては、引き続き厳しい状況が続くことが予測されます。企業が需要減に直面していることが大きな要因といえますが、特に低迷している自動車業界で顕著となっています。
図4-2

<ヨーロッパ・中東・アフリカ地域>
また、ヨーロッパ・中東・アフリカ地域における純雇用予測は、前年同月比では調査対象である18カ国・地域全てにおいて低下しています。また、オーストリア、スイス、フランス、ギリシャ、オランダ、ルーマニア、南アフリカ、イギリスの8カ国・地域において、現地で調査を開始して以来の最低値を記録しており、労働市場の低迷が予測されます。但し、前四半期と比べると、ノルウェーが9ポイント増、アイルランドが4ポイント増、チェコ共和国、ポーランド、スペインおよびスウェーデンがそれぞれ3ポイント増、イタリアが1ポイント増と、依然として純雇用予測値は悲観的な値を示してはいるものの、7カ国・地域で雇用意欲がゆるやかに回復しています。特に、ノルウェーは18カ国・地域で最も高い値を記録しています。
(図4-3参照)
《 ジェフリー・ジョレス(マンパワー会長・社長兼CEO)のコメント:ヨーロッパ・中東・アフリカ地域 》
ヨーロッパ全域では、引き続き製造業界の採用意欲の低迷が予測されます。実際、ヨーロッパの中で最大の経済国であるドイツの製造業で減員を予定している企業数が前四半期に比べ9%増加しています。また、ノルウェーでの雇用予測の回復要因としては、公共・社会分野における企業の採用意欲が回復したことが挙げられます。この分野については、これは政府の刺激策や教員不測が採用意欲を高めたものと思われます。逆に、イギリスの企業の雇用意欲は調査開始以来の最低値となっており、10%の企業が来期人員を削減すると回答しています。
図4-3

* 南米アメリカ地域:アメリカ合衆国、メキシコ、カナダ以外の国
ヨーロッパ・中東・アフリカ地域:チェコ、ギリシャ、ポーランド、ルーマニア、南アフリカ、ハンガリー
においては、調査開始から3年以上経過していないため季節調整後の値は適用していません。
【調査概要】
調査時期 :2009年4月14日~4月27日
調査対象 :東京・大阪・名古屋の次の7業種における企業の人事部門長
(1) 金融・保険・不動産、(2) 製造、(3) 鉱工業・建設、
(4) 公共・教育(役所、学校関係)、(5) サービス(情報処理、ソフトウェア、娯楽など)、
(6) 運輸・公益、(7) 卸・小売
質問内容 :「2009年7-9月において、貴社または貴機関の雇用計画(契約社員、派遣社員などを含む)は今期(2009年4-6月)と比べてどのような変化がありますか?」
調査方法 :次のいずれかの方法で回答を収集。
(1) 電話による聞き取り (2) 電子メールによるアンケート
有効回答数:日本国内 1054社、世界34カ国・地域では70,000社
誤差の範囲:調査国、地域、及び世界レベルでのデータ全体に関して、誤差の範囲は±3.1%以内となっています。
調査の歴史:45年以上の歴史をもつ当調査は、世界で最も信頼されている雇用予測調査の一つです。1962年に米国およびカナダで開始し、1966年にはイギリスが加わりました。その後、2002年に、メキシコとアイルランドが調査を開始し、2003年には、日本を含む世界13ヶ国・地域が調査に参加することとなりました。その後も、参加国は増え続け、現在では34ヶ国・地域で調査が行われています。
※次回のマンパワー雇用予測調査(2009年第4四半期)の結果発表は、2009年9月8日の予定です。
<マンパワー・ジャパン株式会社 取締役・代表執行役会長兼社長 ダリル・グリーンからのコメント>
内閣府が5月に発表した月例経済報告によると、当面厳しい状況が続くものの、一連の経済対策の効果が景気を下支えするだろうとの見方が有力ですが、その一方で「生産活動がきわめて低い水準にあることなどから、雇用情勢の一層の悪化が懸念される」との見解が示され、雇用環境の大幅な改善はしばらく見られないと予想されます。このような厳しい経済状況を反映し、マンパワー雇用予測調査2009年第3四半期の結果も、純雇用予測が-5%から-6%と前四半期比で 1ポイント減となり、僅かではあるものの雇用意欲の更なる減退が見受けられます。また、前年同期比では22ポイント減と予想どおり大幅な減少となりました。
雇用情勢に関しても、4月の完全失業者数は増加し、就業者数が減少したことに加え、新規求人数も大幅に減少していることがわかります。また、日本人材派遣協会労働者派遣事業統計調査の数値を見ても、厳しい雇用情勢の中、2009年第1四半期の派遣社員の実稼動数も、前年比10%の減少となっていることがわかります。
マンパワー・ジャパンは、今後、このような厳しい経済環境の中で、将来的な景気回復を視野に入れ、企業に対して的確な人材マネジメントの提案を行っていきます。また、ビジネスソリューションの視点から、人員の最適化も含め、企業が急な景気の変化に対応できるような施策を創出していきます。さらに、求職者の方々の就業機会の確保と将来のキャリアパスを実現するための体制を一層強化していきます。このような将来に向けての包括的な取組みこそ、今、私たち人材サービス企業の果たすべき役割だと考えます。