2010年6月8日
総合人材サービスのマンパワー・ジャパン株式会社(本社・神奈川県横浜市、取締役・代表執行役会長兼社長:ダリル・グリーン、資本金:40億円)は、2010年第3四半期(7-9月期)における企業の雇用計画を尋ねた「マンパワー雇用予測調査」の結果を6月8日付で発表します。調査結果は「2010年7-9月において、貴社または貴機関の雇用計画(契約社員、派遣社員等を含む)は今期と比べてどのような変化がありますか?」という質問に基づいています。尚、本調査はマンパワー社が四半期ごとに世界36カ国・地域で行っている世界で最も広範囲にわたる事前調査です。
今回日本で行った調査では、東京・大阪・名古屋の企業1,135社から回答を得ました。その結果、季節調整後の純雇用予測は、前四半期比4ポイント増、前年同月比9ポイント増の6%となり、企業の雇用意欲が回復基調に入ったことが鮮明となりました。
また、マンパワー雇用予測調査は、地域別(東京、大阪、名古屋)で調査を行うと共に、業種別(7業種*)での調査も行っています。地域別(詳細は2ページ目以降)の純雇用予測(季節調整後)では、前四半期比、前年同月比において、3地域全てで雇用意欲が回復しています。2009年第2四半期から雇用活動が停滞していた東京は、前四半期比5ポイント増、前年同月比10ポイント増の9%と、3地域中最も純雇用予測値が高く、企業の活発な雇用活動が見込まれます。また、前四半期にマイナスに転じた名古屋も、前四半期比8ポイント増、前年同月比9ポイント増の6%となり、企業の雇用意欲の改善が見られます。さらに、大阪は、前四半期比8ポイント増、前年同月比10ポイント増の3%となっており、7四半期ぶりに雇用予測値がプラスに転じています。(図 1-1、1-2、2-1、2-2 参照)
業種別(詳細は3ページ目以降)で見ると、7業種中5業種において雇用活動が回復しています。特に、「サービス」の純雇用予測は、前四半期比16ポイント増、前年同月比12ポイント増の15%と7業種中最も高く、「製造」が前四半期比6ポイント増、前年同月比18ポイント増の10%と次いで高い数値となっており、両業種での雇用活動の改善が見込まれます。反対に、「金融・保険・不動産」は、依然として不安定な雇用活動が見込まれ、前四半期比5ポイント減、前年同月比11ポイント減の-11%と調査開始以来の最低値を記録しています。(図3-1参照)
*純雇用予測: 調査結果のうち「増員する」と回答した企業数の割合(%)から「減員する」と回答した企業数の割合(%)を引いた値。
*季節調整値: 月々の変動の癖(季節的要因)を除去したことを推計した値で、調査開始から3年以上経っている国で適用しています。日本では2006年第3四半期から適用しており、全て季節調整値をもとにした分析値を指標にしています。
*7業種:「金融・保険・不動産」「製造」「鉱工業・建設」「公共・教育」「サービス」「運輸・公益」「卸・小売」
【 調査結果 】2010年第3四半期(2010年 7 – 9 月期)
1)純雇用予測は前四半期、前年同期から改善し6%、企業の雇用意欲ははっきりと回復基調に
2010年第3四半期の純雇用予測(季節調整後)は前四半期比4ポイント増、前年同期比9ポイント増の6%と、企業の雇用活動がここにきてやっと回復に転じたことがわかります。具体的には、東京・大阪・名古屋の企業1135社からの回答のうち、従業員を「増員する」と回答した企業は11%、また「減員する」との回答は8%、「変化なし」は77%となっています。また、「増員する」の値が、前年同月から4ポイント増加していることから、企業の雇用活動が回復傾向に入ったことが伺われます。

(注:2008年第3四半期より「TRAMO-SEATS」法を採用しており、遡及改定を行っているため、過去のデータが変動しておりますので、ご了承下さい)
2)地域別の雇用意欲は、東京、名古屋、大阪全ての地域で回復
地域別の純雇用予測(季節調整後)は、3地域全てで回復しています。企業の雇用意欲が停滞していた東京は、前四半期比5ポイント増、前年同月比10ポイント増の9%と3地域中最も高い数値を記録しており、企業の活発な雇用活動が見込まれます。また、前四半期にマイナスに転じた名古屋では、前四半期比8ポイント増、前年同月比9ポイント増の6%と、企業の雇用活動が再び回復傾向にあります。さらに、2009年第1四半期から純雇用予測値がマイナスに落ち込んでいた大阪は、前四半期比8ポイント増、前年同月比10ポイント増の3%とプラスに転じています。
(図2-1、2-2参照)

3)業種別の純雇用予測は、7業種中5業種で回復するも、2業種において依然として低調な数値を記録
業種別の純雇用予測(季節調整後)は、前四半期に比べると5業種(「製造」、「鉱工業・建設」、「サービス」、「運輸・公益」、「卸・小売」)で、雇用意欲の回復の兆しが見受けられますが、2業種(「金融・保険・不動産」、「公共・教育」)において調査開始以来の最低値になるなど、業種別の雇用意欲にばらつきが見られます。中でも、「サービス」が、前四半期比16ポイント増、前年同月比12ポイント増の15%と、7業種中最も高い数値を記録しています。また、2008年秋以降の景気低迷で雇用活動が低調に推移していた「製造」も、前四半期比6ポイント増、前年同月比18ポイント増の10%と、雇用意欲が明らかに回復してきていることがわかります。アジアを中心とした新興国での需要の高まりを受けて、製造系の企業による人材ニーズが徐々に高まりつつあることが1つの要因と考えられます。さらに、「運輸・公益」及び「小売・卸」は、共に8%とやや低調ながらも、それぞれ前四半期比7ポイント、5ポイント増、前年同月比では21ポイント、9ポイント増となっており、雇用活動が活発化していることが明らかです。「鉱工業・生産」は、0%と大きな変化は見られませんが、前四半期比、前年同月比ともに8ポイント増となり、雇用活動が回復基調にあると言えます。一方、「公共・教育」の純雇用予測値も-3%と調査開始以来の最低値となっており、低調な雇用意欲を示しています。また、「金融・保険・不動産」の純雇用予測値は-11%と7業種中最も低く、依然として不安定な金融市場の動向を反映した結果となっています。


4)世界の結果では、アイルランド、スペイン、イタリア、チェコ共和国の雇用意欲が低調、北・南米及びヨーロッパ地域に比べ、アジア太平洋地域において雇用意欲の回復傾向が顕著に
世界の2010年第3四半期の純雇用予測では、約61,000社から回答を得ました。その結果、調査対象となった36カ国・地域のうち、純雇用予測は、前年同期と比べ30カ国・地域で増加、前四半期比では、23カ国・地域で回復しており、地域別の雇用意欲の回復傾向に依然ばらつきが見受けられます。
<アジア太平洋地域>
アジア・太平洋地域の8カ国・地域では、前年同月比において全ての国・地域において雇用意欲が回復しており、同地域の企業の堅調な雇用活動が見込まれます。前四半期比では、シンガポールと香港を除く6ヵ国・地域において雇用意欲が回復しています。特に、中国は、前四半期比9ポイント増、前年同月比3ポイント増の27%、台湾も前四半期比1ポイント増、前年同月比27ポイント増の35%と、共に現地で調査を開始以来の最高値を記録しています。また、インドの純雇用予測は、45%(前四半期比2ポイント増、前年同月比19ポイント増)と同地域の中で最高値となっており、企業の堅調な雇用活動が見込まれます。一方、前四半期比では、シンガポールが4ポイント減の21%と純雇用予測値は楽観的な値を示しているものの、企業の雇用意欲がやや低迷しています。また、香港の純雇用予測は前四半期から変わらず15%と、雇用活動の停滞が見込まれます。日本の純雇用予測は、6%と同地域内で最も低いものの、前四半期比、前年同月比共に増加しており、雇用意欲が回復基調にあります。オーストラリアとニュージーランドの純雇用予測値は、それぞれ24%、18%と、引き続き堅調な雇用活動が予測されます。(図4-1参照)
《ジェフリー・ジョレス(マンパワー会長・社長兼CEO)のコメント:アジア・太平洋地域 》
アジア太平洋地域においては、日本は依然として雇用意欲が低調なものの、各国で雇用活動の回復が見込まれます。同地域は他の地域に比べ、景気低迷の影響をそれほど受けておらず、今回の堅調な雇用予測にも反映されています。中国やインドは国内需要の急激な回復により、西欧諸国や他の成熟市場に比べ、景気低迷からいち早く抜け出すことができたと見ています。日本は典型的な成熟市場の動きを示しており、前年同月からの大幅な雇用意欲の改善は、主にサービス分野での需要回復によるものと思われます。

<北米・中南米地域>
北米・中南米地域の純雇用予測は、前四半期比では5カ国・地域において雇用意欲が回復しています。ブラジルは、前四半期に引き続き同地域で最も純雇用予測値が高く、前四半期比2ポイント増の40%となっています。また、米国の純雇用予測値は、前四半期比1ポイント増、前年同月比では8ポイント増の6%と、同地域では最も低いながらも、企業の雇用意欲が緩やかな回復基調にあると言えます。加えて、前四半期と比べ、メキシコが6ポイント増の16%、カナダが3ポイント増の10%と、堅調な企業の雇用活動が見込まれます。さらに、前年同月比では、全ての国・地域で純雇用予測が改善しており、雇用活動は前年の水準までは回復しつつあると言えます。(図4-2参照)
《 ジェフリー・ジョレス(マンパワー会長・社長兼CEO)のコメント:北米・中南米地域 》
従来からの傾向として、景気が回復基調に入ると、米国での雇用意欲も連動して改善するのですが、先行きが不透明な経済や、依然として脆弱な国内需要が、企業の雇用活動を抑制する原因だと考えられます。米国における企業の70%が来四半期の雇用について「変わらない」と回答していることからも明確です。ただし、娯楽・ホスピタリティ分野の企業における雇用の見通しは改善しており、企業は夏休みに向けて人員を増やす傾向にあるようです。また、ブラジル企業による海外直接投資が活発化してきており、南アメリカ最大の経済国である同国での雇用意欲の回復に影響を及ぼしているようです。

<ヨーロッパ・中東・アフリカ地域>
ヨーロッパ・中東・アフリカ地域における純雇用予測は、前四半期比では12カ国・地域、前年同月比では13カ国において回復しています。ポーランドの純雇用予測値は、同地域の中で最も高く、前四半期比5ポイント増、前年同月比9ポイント増の18%と堅調な雇用活動が見込まれます。また、ドイツの純雇用予測値も、前四半期比8ポイント増、前年同月比13ポイント増の9%となっており、2年ぶりに純雇用予測値が回復しています。一方、イタリアの純雇用予測値は、同地域の中で最低値を記録し、前四半期比1ポイント減、前年同月比4ポイント減の-9%と、引き続き厳しい雇用状況が予想されます。また、ギリシャの純雇用予測値は、前四半期比で見ると、地域中最も下げ幅が大きく、前四半期比5ポイント減の-5%と企業の雇用活動の低迷が予測されます。(図4-3参照)
《 ジェフリー・ジョレス(マンパワー会長・社長兼CEO)のコメント:ヨーロッパ・中東・アフリカ地域 》
ヨーロッパ地域は、最近良いニュースに恵まれないにもかかわらず、18カ国・地域中16カ国・地域において製造分野の企業が雇用を増やすと回答しており、同地域での需要拡大が見込まれます。ドイツの企業は、ほぼ全ての業種において雇用活動の回復が見込まれ、特に卸・小売分野での雇用意欲の回復が伺えます。今回の調査は、ギリシャなどでの金融不安が起こる前に行われたものですが、調査結果としては、現在の欧州での厳しい経済環境を比較的反映する結果となりました。

* 南米アメリカ地域:アメリカ合衆国、メキシコ、カナダ、ペルー以外の国、
ヨーロッパ・中東・アフリカ地域:チェコ、ギリシャ、ポーランド、ルーマニア、南アフリカ、ハンガリー、においては、調査開始から3年以上経過していないため季節調整後の値は適用していません。
【調査概要】
<マンパワー・ジャパン株式会社 取締役・代表執行役会長兼社長 ダリル・グリーンからのコメント>
1~3月期の経済情勢においては、4四半期連続の国内総生産(GDP)が、実質プラス成長(前期比1.2%増、年率4.9%増)となりました。個人消費0.3%増、設備投資1.0%増、住宅投資0.3%増(1年半ぶりのプラス転換)を始め、好調な工作機械などのリードによる輸出状況の改善(6.9%増)など、幅広い分野で景気の回復を裏付ける数値が見られるようなってきました。
マンパワー雇用予測調査2010年第3四半期の結果を見ても、純雇用予測は、前四半期比4ポイント増、前年同月比9ポイント増の6%と、企業の雇用意欲が上向きに転じたことが伺えます。また、業種別でみても、調査対象となった7業種中5業種で前四半期に比べて純雇用予測値が増加しているなど、企業が雇用に対して前向きになっていることが明らかです。
雇用情勢については、2月に4.9%であった完全失業率が、3月は0.1%上がり5.0%になるなど、なかなか厳しい状況からは脱却しきれないのが現状です。不安定な世界情勢やそれによる経済への影響、払拭されない国内のデフレ状況等、企業経営にとっては依然厳しい状況が続いています。しかし、中には、このような時期だからこそ“有望人材の確保には好機”ととらえ、積極的な採用活動を開始した企業も見受けられます。
マンパワー・ジャパンでは、今後も、本格的な景気回復に伴う人材需要の増加に迅速に対応できるよう、企業及び求職者の方々にとって最適な人材ソリューションの提供を目指します。また、人材ビジネスにおいてマンパワーが長年培ってきたノウハウを生かし、雇用創出という観点から、介護や福祉など人材を必要としている分野をはじめ、働きたいと考える求職者の方々に対する就業機会の創出に貢献していきます。