

物価:
UAEに関して最も関心が高い話題の一つは、生活のコストです。世界で最も生活費が高い都市のランキングでは、エコノミスト・インテリジェンス・ユニット
の調査によると、ドバイとアブダビがそれぞれ71位と82位、マーサーHRコンサルティングの調査によると、それぞれが25位と30位となっています。ドバイの生活費は急速に上昇し、アブダビでも最近同様の現象が起きています。生活費、特に住宅にかかるコストは、今後数年でさらに上昇するでしょう。住宅の賃料だけで、生活のコストの少なくとも50%が費やされてしまうこともあるので(公式の消費者物価指数の数字では30~40%ですが)、その他の利用可能な商品やサービスを検討することも重要です。
ドバイの生活コストは比較的高く、世界の他の大都市と同等の水準にあります。全体的な生活費を削減するため、一定の商品やライフスタイルをスマートに選ぶことも可能です。アブダビの生活コストはドバイほどではありませんが、特定の地区の賃料を見ると、ドバイに近づいていると言えそうです。ドバイへの引越しを考えており、今後しばらくの生活費が特に心配な場合は、少なくとも全体的に5%程度のインフレ率を考慮に入れておくことが重要です。
住居:
住宅に関しては、まず購入するか、賃借するかを決める必要があります。外国人がドバイで資産を所有できるようになったのは2002年以降のことなので、つい最近までは、アパートやヴィラが市場に出てくると、すぐに買われてしまうケースがほとんどでした。2番目に決める必要があるのは、ヴィラとアパートのどちらに住むかという点で、3番目に決める必要があるのは、どの地区に住むかという点です。
西欧では、賃料の支払いは、銀行口座から毎月自動的に引き落とされるのが一般的です。しかし、UAEでは必ずしもそうではありません。家主によっては、1年分の賃料の前払いを求めたり、半年ごと、あるいは四半期ごとに、先付け小切手の送付を求めたりすることもあります。これによって実質的な価格が上昇し、最大10%の金利でローンを借りたり、予算を拡張したりする必要が出てくるかもしれません。
住居タイプ:
医療:
アラブ首長国連邦の医療サービスは、公的医療・民間医療ともに高い水準にあります。多くの国と同じように、民間医療施設の方が優れていると見なされており(英語可、待ち時間の短縮、入院施設の充実) 、アラブ首長国連邦の新しい法律のもと、そうした民間医療機関が業務を委託されないとも限りません。いずれにせよ、公的医療サービスの受診資格があるとしても、健康保険の加入を検討してもよいのではないでしょうか。政府系病院の緊急治療は、国籍や保健カードの有無にかかわらず無料で提供されます。保健カードが取得している人は、カードを見ると、指定されたクリニックや病院がわかります。ただし、その施設に行かなければならないわけではありません。
就労ビザ:
アラブ首長国連邦の就労が自国と大きく違う点に、雇用主から身元を保証してもらわなければならないことが挙げられます。この結果、縛られたように感じたり、雇用主に対して不必要に義務感を持ったりするケースがよくあります。就労先を退職する場合、今持っているビザは取り消され(家族も一緒に身元を保証してもらっている場合は、その家族の分も取り消し対象)、新しい滞在許可を取得するという煩わしい問題に対応しなければなりません。
その他:
アラブ首長国連邦(UAE)は、アラビア半島の東側にあり、サウジアラビアおよびオマーンと国境を接しています。沿岸部はアラビア湾とオマーン湾に面しています。UAEは7つの首長国、すなわちアブダビ、アジュマーン、ドバイ、フジャイラ、ラアス・アル=ハイマ、シャールジャ、およびウンム・アル=カイワインから成っています。アブダビは最大の首長国で、国土の80%を占めています。2番目に大きな首長国は、3,885平方キロのドバイです。
魅力:
ドバイで働くことの最大の魅力は、給与が課税されないことでしょう。しかし一部の外国人にとっては、たとえ税金を支払わなくて済むといっても、ディルハムと自国通貨の為替レートによっては(ディルハムは米ドルにはペッグされています)、大したメリットではないかもしれません。しかし2008年の終わりにポンドの価値が急落したことは、イギリスからの労働者にとっては若干明るい話題となりました。現在ではインフレ率の上昇と不動産の天文学的な賃借価格により、給与のパッケージは全般に4~5年前ほど魅力的なものではなくなりました。可処分所得も以前より減っています。しかし、ほかにも大きなメリットはあるので、滞在を続ける人もいます。
上級管理職ではいまだに素晴らしい機会と魅力的なパッケージが用意されており、経験豊かなビジネスパーソンを引き付けています。これらは主に、建設、航空、金融産業の話です。
しかし、上級管理職よりも低い役職の外国人にとっては、「UAEでの安楽な生活」というイメージは変わりつつあります。市場のあらゆる領域で競争が激化しており、ドバイで職を探す人の数も増え続けているからです。外国人は少し前までは、自国の価値観では夢のような職業にありつくこともできましたが、最近では世界的な不況の影響もあり、市場での競争がはるかに激しくなっています。住宅や教育の手当てもすべて含まれているパッケージは、以前ほど見られなくなってきました。ただし、基本的な福利厚生は今でも維持されています(毎年自国へ飛行機で帰国できる権利、30日間の休暇など)。
しかし、現在でも魅力的な求人は多く存在し、様々な点で、有能な専門家にとってはチャンスの国であると言えるでしょう。まだ他の国よりもスキルが細分化されていないので、他国に比べれば業界を変えるのも容易です。
企業風土:
UAEはイスラム教の国なので、たとえ取引相手の担当者が外国人であっても、その上司の意思決定者がUAE国民であるため、ビジネスで異質なアプローチが採用されるということも往々にしてあります。ドバイでビジネスを始める場合は、よく観察をして、忍耐力を持ち、文化を理解することに全力を注ぎ、習慣を尊重すると良いでしょう。
お茶とコーヒーは現地の非常に重要な習慣の一部で、会議の最中などに、このホスピタリティの象徴を拒絶すると、失礼であると思われてしまう可能性があります。小さなアラビアのコーヒーカップを指で前後に数回傾ける動作は、「お代わりは不要」という意味を表します。時間の概念は柔軟なので、たとえ会議中に誰かがおしゃべりをしに入ってきたとしても、驚かないでください。
ビジネスではあらゆる現場において適切な服を着ることが不可欠ですが、UAEでは気候の問題もあり、極めて重要な会議の場などを除き、シャツとネクタイを着用していれば十分です(男性の場合)。女性の場合は通常、露出の少ないスーツまたはスカートとブラウスを着用します。
経済:
UAEは、1人当たり所得では、カタールに続き2番目に豊かなアラブ国家とされています。2006年の世界銀行の統計によると、UAEの1人当たりの国民総所得(GNI)は23,950米ドルです。UAEは、世界の石油埋蔵量の10%弱(ほとんどはアブダビ首長国内に存在)と、世界で4番目に大きな天然ガス埋蔵量を持っています。近年の石油価格の記録的な高騰により、UAEのGDPは、年間8%以上の成長を示しました。2007年のGDPは6,970億ディルハムで、2008年のGDPは8,090億ディルハムになると推定されています。2006年には、UAEの石油以外の収入の40%以上は、ドバイ首長国によるものでした。
UAEの富は、原油収入のみに頼っているわけではありません。過去3年間では、石油収入の割合はGDP総額のわずか27%でした。UAEの経済においては、貿易、製造、観光、および建設業の重要性が増しつつあります。UAEの主な輸出相手国は、サウジアラビア、イラン、日本、インド、シンガポール、韓国、オマーンです。主な輸入相手国は、日本、米国、イギリス、イタリア、ドイツ、韓国です。