

求人の種類・動向を見ると、今回の世界不況の前と後では若干異なっている点が見られます。その一つは、退職者の補充と言う場合を除いて、スタッフレベルの採用求人が減少している事。翻ってマネージャー以上のレベルに対する求人採用の案件が増えて来ている事です。更に、このマネージャー以上の求人の中に、日本人を求める案件が増えて来ています。又これに準じて日本語可能なタイ人人材に対する需要も高く、競争率が高い状態です。こうした背景には、コストの高い駐在員を帰国させて、日本語可能で能力の高いタイ人人材を採用して代替とする事を目的としている場合もあれば、タイ人ではなく日本人を現地採用待遇で採用し、駐在員の後任として配置させるケースもあります。
但し、人材に対する選考・審査基準は以前に比べ厳格化して来ており、競争率が高くとも、誰でも良いから取り敢えず、という様な採用は殆どありません。つまり“日本語が話せるから”、“日本人だから”というだけでは有効なアドバンテージとは見做されなくなって来ています。
その上で、求人の具体的な種類を見ると、文系理系職問わず、顧客対応という職責を任されるケースが殆どです。景気が回復して来たとは言え、先行きに未だ不安感を拭い切れない状況にあって、既存の顧客との関係・パイプをしっかり良好に維持しておく為には、日本語対応が求められる様です。また、優秀な人材を採用する事で、従来2~3人で行ってきた事を、1人に遂行させて人件費を削減する、という目的もあります。従って求められるスキルとしては、コミュニケーション能力が第一に挙げられます。そして業務遂行能力が2点目として挙げられるでしょう。コミュニケーション能力には語学力も含まれます。つまり、タイ人人材の場合であれば日本語能力と共に、英語能力が、日本人材の場合であればタイ語能力が求められる場合があります。ただいずれの場合でも、英語能力は必ず基本言語になると認識して頂いていた方が宜しいです。日系企業で就労する事になれば、マネージメントは日本人駐在員の方々の手によります。故に社内の公用語は殆どの会社で英語になります。又、タイ人の方々も一定レベル以上の大学等、高学歴の人になると、殆どの方が英語を話されます。従って英語は必須と考えておいた方が良いと思います。
次に業務遂行能力ですが、具体的には、一定期間内にどれだけの業務をこなせるかというスピードになります。しかしこれは実際就労してみないと判らないスキルになります。従ってこの点を測る為に注視されるのが、それまでの職歴・業務経験です。つまり、同業他社での職歴や、類似した業務経験の有無により、業務遂行能力が推測されます。この経験年数と類似度が高ければ高い程、採用の可能性と給与額が高くなります。
以上の2点が基本的選考基準になります。更に、この2点の上に考慮されるのがマネージメント能力です。即ち、具体的実務の傍ら、タイ人のスタッフの皆さんを管理統率する能力が求められます。ごく稀にですが、自身が経験してきた限られた範囲の業務のみ行いたいという方がいますが、これでは日本人を採用する意味がなくなります。現地採用の人材の評価は、事実の上で駐在員の方の業務の一翼を担って、マネージメントの負担を軽減する事に貢献出来るか否かという点にあります。この点において100%の評価が得られると、現地採用の待遇条件の壁とも言える月額10万バーツ以上の給与を貰えるレベルになって来ます。
(*当地では、外国人の就労に際し、VISAと労働許可書(Work Permit)の取得が義務付けられます。その取得資格として最低給与額の指定があり、日本人の場合5万バーツと設定されています。但し、BOIライセンス企業はこの規制外となります。)

大学卒業後、総合物流会社に就職、輸出入貨物の一貫輸送サービスを手掛ける営業マンとして勤務。その企業の海外現地法人へ、タイ駐在員として出向。
もともと学生時代から海外で勤務する事が夢でしたので、3年半の駐在員任期満了と共に、当地で転職を決意。その時サポートをしてくれた人材紹介業者を通して勤務する事になりました。丸々7年間そこで人材業界の経験を積んだ後、今般、縁あって当地の業界では、人材ビジネスの総合サービスを手掛けられる僅か2社の内の一つ、マンパワータイランドへ仲間入りしました。
早いもので今年で在タイ満11年を迎えます。
日本においてもメディアを通して、当地タイについての情報が溢れていますが、現地にいなければ見えて来ない情報、生活の知恵等の提供を心がけつつ、日本人とタイ人との間に立って異文化間の橋渡しをしながら、当地で就職を希望されていらっしゃる皆さんのサポートをさせて頂ければと思います。