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そうなんだ!豆知識 Vol.6

表示を見る欧米人、表示を見ない日本人~コミュニケーション美人になるために~ photo

いよいよ“春”という季節。入学式を迎える学生や新入社員の溌剌とした中にも緊張感のある姿が新鮮に感じられる季節である。人間ばかりでなく、木々や草花も一斉に新しい花を咲かせたり、芽吹く季節でもある。この季節になると、四季を持つ国に生まれた素晴らしさを、心から嬉しく思う方も多いことだろう。もちろん私もその一人である。

「桜前線」という美しい言葉がある。響きも美しいが、その言葉から人は様々な光景を思い描くに違いない。さらにその言葉は南から北へと少しづつ移動する、美しい桜の姿さえも想像させてくれる。沖縄から始まり、およそ半年かけて日本列島を縦断する旅である。 この桜前線の話は、後日ぜひゆっくりとお話したい。

旅といえば「休暇の分散化」も大いに話題になっている中、今年のゴールデンウィークの計画をすでに進めている方も多いことだろう。国内派が増えている一方、消費は抑えながらもやはり海外という方々も。海に囲まれた日本で育った私たちにとって、海外への旅は、見たことのない景色や味わったことの無い食事との貴重な出会いを生む大切な機会といえるだろう。

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旅は新しい発見の連続でじつに楽しいもの。しかし同時にトラブルも多い。残念なことに、その原因のひとつは「表示を見ない日本人」にあるともいえる。これは何も海外に限ったことではない。日本国内でも至るところ「表示を見ない日本人」で溢れている。 例えば、デパートで、目的とする売り場やレストラン、買いたいものを扱っている売り場などについて尋ねたことがある人と問えば、100%に近い方が手を挙げてくれるだろう。大抵の方は「表示を捜したり、確認したりするより、聞いた方が速い」と思う。残念なことに、日本では表示自体も、見やすく、見つけやすいように工夫されていない。いわゆる鶏と卵の状態といえる。

なかには、非常に目立つ表示すら見ない人がいる。例えば、ここ数年どの電車にも設置されている「女性専用車」に、驚くことに男性の姿があること。もちろんピーク時ではないものの、当然「女性専用車」として運用されている時間に、数人は男性の姿を見かける。駅のアナウンスも聞いていない、あれだけ社内に貼ってあるステッカーも見ていない。まさに、「表示を見ない日本人」の典型といえる。更に恐ろしいことは、周囲の状況への察知能力の欠如である。コミュニケーション能力は限りなく低いということになるだろう。

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当然、人にもよるが、欧米人は概して表示を良く見ている。同時に、自立心が旺盛なのか、自力で探そうとする傾向が強い。日本を訪れる欧米人が地図を片手に、一所懸命に駅の表示を見ている姿を目撃した方は多いだろう。とにかく探す。駄目ならやっと周囲の力を借りる。とにかく自分の力で何とかしてみようという精神に富んでいる。多くのサービスの最前線で仕事をした経験からも、この日本人と欧米人の表示に関する取り組みの違いは歴然としている。人には個性というものがあるので、これはあくまで一般論。きちんと表示を見ようとする日本人も、もちろん沢山いらっしゃることだろう。

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表示とも関連するのが、「気配り」を意識するという感覚。コミュニケーションでは、このような「気配り」を意識することも大事な要素になっている。会議中にパワーポイントでのプレゼンを受ける際、自分より後ろの人の邪魔にならないように配慮する感覚。ラッシュアワーの車内で、肩にかけているバッグや背中の鞄が周囲の人の邪魔になっていないかという感覚。雨の日の傘の持ち方。数え上げればきりが無いが、自分のことだけに夢中になって周囲への気配りをうっかり忘れていないか、私も時々反省をする。

あるセミナーで、活躍されている著名な講師と名刺交換をしようとする人の長い列ができていた。講師の方は次の予定もあり、会場にいられる時間はわずかであった。そのような中、長い質問をして大半の時間を自分だけで使いきってしまった方があった。その光景をそばで見ていた、キャリアの大半をアメリカで過ごした方が、後ろに並んでいる方々に配慮できないその態度を嘆いておられた。「気配り」を感じられないことは、すなわち様々な感覚に鋭敏ではないということ。コミュニケーションの基本、そして何よりビジネスの基本ときっぱりおっしゃっていた。そのとおりだろう。

周囲を配慮しながら、颯爽と仕事にプライベートに頑張りたいものである。


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プロフィール
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芳賀 日登美
社会言語学修士、国際コミュニケーション修士。
2008、2009年筑波大学大学院システム情報工学研究科(MBA・MPPコース)非常勤講師。
リーダーシップ担当。
経済産業省「アジア消費トレンドマップ研究会」コアメンバー。

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